「子どもに合わせていいよ」<br />
温かい理解が、<br />
私のモチベーションになっている。<br />

vol.3

「子どもに合わせていいよ」
温かい理解が、
私のモチベーションになっている。

けま喜楽苑 介護職員(非常勤)

1997年4月入職

房野 禎江(フサノ ヨシエ)

専門学校 保育福祉系 卒業

3人の子育て中でも、仕事と両立できる環境です。

家族の状況に応じて少しずつ時間を伸ばし、今はフルタイムで勤務中。

新卒で「あしや喜楽苑」に入職後、結婚や出産など、私自身のライフステージの変化がありましたが、その都度、休暇・復帰を繰り返しています。きらくえんは、子育てへの理解があり、家族の体調不良等で急に勤務の予定が変わっても柔軟に対応してもらえるので、送り出される私もストレスなく家庭のことに専念できています。
一度、介護とは違う分野の仕事も経験しましたが、心のどこかに(また介護の仕事をしたい)という思いがありました。そんな時に、ママ友が「今度、近所にできる「けま喜楽苑」って、あなたが勤めてたところじゃない!?」と教えてくれました。電話で問い合わせた時から、「ぜひ来てください!」「働き方は、子どもに合わせてもらっていいよ」と、すごく温かく迎えられ、私もその気持ちに応えようと、介護に関する本の最新版を買い揃えて読み返し、復帰に備えました。
それから3人の出産・子育て、祖母の介護が続きましたが、少し時間に余裕ができた時に、その都度職場復帰できました。今、何度目の職場復帰なのか、私でもわからないくらいです(笑)。

介護のかたちでみえた、ご利用者と職員の信頼関係。

20年ほど前の話ですが、「あしや喜楽苑」での実習で、「人を敬う介護」を初めて見ました。介護職員とご利用者の関係がまるで、孫や子どもが、自分のおじいちゃんおばあちゃんに接しているように見え、学生ながらに感銘を受けました。親しくても慣れ合いにならずに、ていねいな言葉遣いで、しっかりと信頼関係が築けているのもわかりました。入職後は、「ノーマライゼーション」の考え方を、当時の先輩方にイチから教えてもらい、実習中に感じたあの温かい雰囲気は、師匠と弟子のような、職員同士の信頼関係もそのまま現場にあふれ出ていたからかなと、就職してから感じたことを覚えています。

ベストな方法を話し合える、風通しのいい職場環境。

よりよいケアのために、価値観も経験値も違う年代の職員同士が、いつでも意見を出し合い、実践につなげています。この職場環境は、昔から変わりません。自分の子どもと同世代の若い職員も、これまでの経験から感じた思いを、意見としてきちんと発言してくれるので、私も知っている限りの知識と経験を伝えるようにしています。若い職員にも「お互いさま」の精神があり、立て込んでいる現場に率先して応援にいったり、私にも「お子さんとの時間を優先してくださいね」と言葉で伝えてくれたりするので、私自身も心の支えになっています。

今も発見の毎日。介護の仕事にゴールはない。

自分自身の子育てや介護の経験が、現場で生かせている。

私も、母と一緒に祖母の介護を経験したので、施設を利用されるご家族の不安が拭えないことはとても共感できます。細かな要望も、入居中の親族を心配してるからこそのご意見。若い職員にも「たぶんこういう気持ちからされているんじゃないかな?」と伝えるようにしています。また、若い職員は、引き出しの多さ、視野の広さが1年前と比べて確実に成長しているのがわかるので、私も根気強くフォローすることができます。
それと、子育てをしているせいか、人の顔色や表情を見るようになりました。お節介すぎるかもしれないけど、職員の表情を見て(いまちょっとしんどそうかな)と思ったり、ご利用者の表情を見て(なんかいつもと違うな)と感じたりできるようになっています。ご利用者が落ち着かなかったり興奮されていたりするときも、イライラせず、受け止められるようになったのも、一つの成長なのかなと思います。
 

笑顔の引き出し方、楽しませ方。その発想力に驚かされます。

若い職員たちが工夫してケアしている姿は、素直にすごいなと思います。年数的には私がベテランかもしれないけれど、ベテランとは思わないですね。今も発見の日々です。実生活で経験しないと実感できないこともたくさんありますから、若い職員が気づかない場面があれば、経験値のある私たちが先回りすることもありますが、後から「そういうことだったんですね!」と、必ず駆け寄って理解を示してくれます。
対人援助は変化の連続です。今の自分に満足せず、職員とともに自分自分も成長したいですね。私は職員もご利用者も大好きなので、よりよいケアを必死に考えている職員やご利用者の「黒子」として、今後も徹していきたいと思います。